伊豆大島の東部にある、日本で唯一「砂漠」と呼ばれる場所である裏砂漠。黒い砂の砂丘が広がる荒涼とした大地の風景は一見に値する絶景であり、伊豆大島を代表する観光名所の一つです。
伊豆大島を運行するバスは少ないことから、裏砂漠へのアクセスはレンタカーやバイクが主要な手段となりますが、実は入り口が2つあって、間違えて侵入すると最悪スタックするリスクがあるなど、訪れる前に行き方を良く調べておく必要があります。
この記事では、伊豆大島の裏砂漠に行く際に知っておくべき、裏砂漠の駐車場の場所や正しいアクセスの方法、主な見どころといった、裏砂漠観光のお役立ち情報を詳しく解説していきます。
裏砂漠への行き方と駐車場|車&バイクは「月と砂漠ライン」を目指せ!
伊豆大島を観光される方の多くが、「レンタカー」「レンタルバイク」「持ち込んだ自分のバイク」のいずれかを利用されるかと思いますが、これら車両の方が目指すべき入り口は、「月と砂漠ライン」と、その先にある「月と砂漠ライン駐車場」です。
月と砂漠ラインは車同士の対向が難しい細い道なので、走行にはくれぐれもご注意ください。
実は裏砂漠には、車両で入れる入り口が二つあります。1つ目は「裏砂漠入り口」という看板が立っている場所で、2つ目が先述した「月と砂漠ライン」です。
この1つ目の「裏砂漠入り口」から入ると、ルール上、車両乗り入れ可能となっている裏砂漠の一部区間に到達できますが、道中の路面が悪く、スタックする可能性が非常に高く危険です。ここでスタックした場合、仮に滑車やロープがあっても、ひっかけられる丈夫な木などがないため、警察を呼んで助けてもらうしかなくなります。また、そもそもレンタカーやレンタルバイクは乗り入れ禁止だそうです(一部業者のジムニーを除く)。
一方で、2つ目の「月と砂漠ライン」からアクセスすると、裏砂漠まで徒歩10分程度で到達できる「月と砂漠ライン駐車場」まで舗装路が続いており、こちらに車やバイクを停めて安全に裏砂漠を観光できます。
この情報は、編集部が全く知らずに「裏砂漠入り口」から自前のバイクの乗り入れ→スタックという大ドジをかまし、紆余曲折の末助けていただいた地元の警察官の方から伺ったので間違いありません。レンタカーを借りる場合はレンタカー屋の方から注意喚起として説明されるようですが、バイクを持ち込む場合はその機会が無いため、くれぐれも注意しましょう。
【参考】裏砂漠でスタックした時の対処法|110番しかない
保険等のロードサービス | 対象外 |
JAF | 対象外 |
警察 | 対応可能 |
ここまでの内容を読んで行く方はほぼいないと思いますが、自家用のバイクやレンタカーのジムニーで裏砂漠に行って万が一スタックした際の対処法をご紹介します。
結論から言うと、110番して警察に助けを求めるしかありません。これは実際に編集部がやらかして得た情報になります。
まず、裏砂漠がある伊豆大島は離島のため、保険についているロードサービスのような一般業者はそもそも対象外のエリアであり、来てくれません。次にJAFですが、こちらは大島でサービスを提供しているものの、オフロードには来てくれないので、路面が砂地の裏砂漠はサービスエリア外となります。最終的に消去法で警察を頼るしかないというわけです(実際にJAFのコールセンターにそう案内されました)。
編集部のケースだと、結局110番して、大島警察署から来たジムニーのパトカーに救助していただきました(申し訳ない)。
裏砂漠に行くときの注意点と予備知識
ここからは、伊豆大島の裏砂漠に実際に行って確かめた、観光の際の注意点と予備知識をご紹介します。
1.スマホの通信電波|ソフトバンクはOK・auとドコモは海上エリア
ドコモ | 海上エリア |
au | 4G LTE海上エリア |
ソフトバンク | ほぼ全域が4G LTE回線エリア |
裏砂漠のスマホの電波状況ですが、各キャリアのサービスエリアマップによると、上記の通り、ドコモとauは海上エリア、ソフトバンクは4G LTE回線エリアとなっています。編集部が実機で確認した結果では、2022年3月現在、ワイモバイルの電波はネット検索・通話共に普通に繋がりました。
恐らく伊豆大島で一番電波に不安がある場所がこの裏砂漠ですので、不安な方はソフトバンク回線のスマホを持っていくことをおすすめします。
2.霧に注意|遭難の危険あり
曇りや雨の日を中心に、裏砂漠一体に霧が発生することがあります。同じような景色がずっと続くスポットである関係上、ルートを外れて歩き回ると遭難するリスクがあるため、霧の日の裏砂漠観光は、裏砂漠第一展望台までの一本道までにしておいた方が無難です。
3.月と砂漠ライン側から入ったら斜面を下ろうとしない|危険回避
月と砂漠ライン側から裏砂漠に入った場合に到達する「裏砂漠 第一展望台」やその一帯は三原山の山腹の高台であり、そこから東側は急な下りの斜面になっています。こちらの斜面を歩くことに規制はありませんが、下ろうとするのは避けたほうが無難です。
その理由は、一体が砂地であることにあります。急な斜面であることに加えて、「砂漠」の名の通り、踏み固められていない柔らかいサラサラの砂の地面であるため、降りた後に登ろうとすると、砂に足をとられて全然前に進まず、登るのに苦労します。危険もあるのでやめておきましょう。
一方で、西側はほんの少し下ると広い砂漠地帯が広がっているため、比較的安全に歩き回れます。
4.トイレは無いと思ったほうが良い|簡易トイレ1個のみ
裏砂漠の観光時に使えるトイレは、月と砂漠ライン駐車場にあるプレハブの簡易トイレのみです。こちらはかなり汚く、紙の在庫が無いこともあるため、基本的にトイレは無いと考えたほうが良いです。裏砂漠へ行く前に街中で済ませておきましょう。
【観光情報】裏砂漠の見どころ一覧
唯一無二の景色であるため、どうやっても楽しめるのが裏砂漠ですが、特におすすめの楽しみ方やスポットを3つご紹介します。
【おすすめ】第一展望台&第二展望台からの景色は圧巻!
車やバイクで乗りつけて歩く、最も一般的な観光で絶対におすすめなのが、「裏砂漠第一展望台」と「裏砂漠第二展望台」の2ヵ所です。どちらも「月と砂漠ライン駐車場」から徒歩10分~15分程度でアクセスできて、スニーカーさえ履いていれば安全に歩き回れるエリアにあります。
鳥取砂丘やアフリカの砂漠とも違う、黒い砂とまばらに生える雑草の織りなす砂の大地がはるか先まで続き、その先には太平洋の大海原が広がる絶景や、天気が良ければ富士山まで見える展望の良さは圧巻です。
砂漠をドライブしたい人は四輪バギーツアーがおすすめ
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