あなたはなぜ投資をしているのだろう。資産形成をする理由は?即答できるだろうか。
「なんとなく必要そう」「老後のため」「とにかくお金が欲しい」、理由はいろいろあるだろう。人の数だけ人生がある以上、投資する理由も千差万別だ。
でも、これは「ちょっと味気ない答えだな」と思う。検索したり生成AIに聞けば、投資が必要な理由や目的に応じたおすすめの投資方法はいくらでも出てくる。でも、感情を持った人間である自分たちが、たとえうまくいかない状況でも継続して取り組まないと結果が出せないものである投資に向き合う時、諦めないために本当に考えるべきことは、自分のニーズや信条などを考慮して考え抜いた、自分だけの投資をする動機であるはずだ。
筆者は、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙って投資を続けている。損益がマイナスになった経験も当然あり、保有銘柄の値動きに一喜一憂するのを止められないことも否定できない。でも、考え抜いた確固たる投資の目的を持っていることで、短期間の売買を繰り返して損失を膨らませるなどの愚行に走らず資産を増やすことができている。
自分が投資をする理由は何か。その答えを見つけるために必要なものは、アドバイザーが語る投資のノウハウではなくて、自分を見つめるきっかけだと思う。そして、自分を見つめるきっかけは、往々にして他人が自分の言葉で話す、血の通った考えを聞くことで得られるものだ。
読んでいるあなたは投資を始めようと思っている人かもしれないし、既に始めている人かもしれない。順調に資産を増やせている人かもしれないし、思うように利益が出せていない人かもしれない。そもそも何に投資している(またはしようと思っている)人かもわからないが、あなたが投資をする理由を確立するきっかけになるとうれしい。
【目的1】人生を楽しむ余裕を守るため

行動しないとどんなイベントも起きず、単調に過ぎてしまうのが人生だ。人生を楽しむかどうかは自分次第だと思う。
しかし、世の中は貨幣経済であることから、収入を得なければ何もできない。よって、経済力が人生を楽しむ余力に直結してくる。
仮に働けなくなったり、何らかの事情で今の会社よりずっと低収入で待遇の悪い会社にしか務められなくなるリスクを考えた時、何かあっても今の生活水準を維持したいと思うなら、給料以外の収入源を作り、そこから得られるお金を増やすしかない。
自慢する意図は一切ないが、筆者は大学を卒業後、待遇と労働環境が割と良い、安定した企業に勤められている。そして、筆者は遊ぶのが好きで趣味に生きている人間だ。しかも、趣味は旅行に酒(特にウイスキー)と、割と金がかかるものである。よって、何が起こるかわからないこの時代にずっと今の生活を続けたいと思うなら、計画的に資産を増やし、キャッシュを継続的に得ることができる仕組みを作ることが必要不可欠だと考えている。
これが、筆者が投資をする一つ目の目的だ。
【目的2】生活のQOLを落とさないため

体の丈夫さも人それぞれ異なるものだが、運の悪いことに、筆者は健康な体を維持するために必要なハードルをいくつか抱えている。
まず、肩こりと眼精疲労が酷い。就職してオフィスワークである今の仕事を始めてからではなく、学生時代から肩、首、顔のコリや眼精疲労、食いしばりに悩まされてきた。そのため、現在は定期的に接骨院に行き、整体と鍼灸で体をメンテナンスしている。1回につき5000円〜6000円かかる施術を月に3〜4回受けるため、毎月の出費はバカにならない。それでも、これを怠ると口内炎に悩まされるなどして生活のQOLが大幅に下がることから、節約はできない。
次に発達障害に関する医療費も頭痛の種だ。筆者は2つの発達障害(ASDとADHD)を抱えているが、ADHDは治療薬を服薬しているため、通院代に加えてその薬代がかかる。また、発達障害の人にはよくあることらしいが、慢性的な消化器の不調ー筆者の場合は便秘に悩まされていることから、そちらの薬代も発生する。自立支援医療という公的扶助によって一部の医療費を抑制することはできているが、それでも発達障害を抱えているために毎月最低5000円の医療費が発生している状況だ。
さらに、最近は花粉症も発症したほか、季節の変わり目には肌荒れが酷くなって皮膚科に行くことが恒例になっているなど、大半の月で追加の医療費も発生している。結果、普通に週5日働き、休日は自分の時間を楽しむという「普通の生活」を実現するために必要なコストは、最低でも毎月約3万円。負担は相当重い。
20代という若者でこの有様なので、年を重ねた未来を考えると将来の医療費には不安しかないのが本音だ。でも、自分の体質は変えられないので、普通に生きるための健康な体を維持するコストが高すぎる人間であることを受け入れるしかない。よって、生活のQOLを良い状態に保つために必要な必要経費を無理せず支払える経済力を維持することも投資をする理由となっている。
【目的3】人生のレールから転落する可能性を拭えないから

筆者は、中学の時に不登校になり、普通の生き方のレールを外れた。
原因はいろいろあるが、今思えば発達障害に起因する生きづらさで疲労が溜まって爆発したのだと思う。成人した今は、一人で精神科や心療内科に一人でかかれる立場を手に入れたことで、問題に対処する術を獲得できており、就職して働くこともできている。
でも、一度メンタルに起因する理由でレールを外れると、今いる場所から転がり落ちる懸念が常に付きまとってくるようになる。不登校になった初期の自分はぐったりしていたが、それと同じように体が動かなくなり、働けなくなるかもしれないという懸念をどうしても拭えないのだ。
このように、働けなくなる可能性をどうしても考えてしまい、楽観的になれないことも、投資をして資産を築く動機になっている。
【まとめ】投資の目的を決めると方向性や戦略を決めやすい

自分の中で投資の目的を決めるメリットは、投資の方針を明確化でき、最適なポートフォリオの選択に役立てられることだというのが筆者の考えである。投資の目的がないと投資の方向性が決まらないので、投資の戦略も立てようがないはずだ。
筆者の場合は、対処すべき問題が多い自分の健康維持を行ったうえで、人生をいつまでも楽しむための金銭的な余裕を確保し続けることが投資をする最大の目的となっている。そこで、老後を含む長期的な将来を見据えた資産形成と、インカムゲインによる収入源の分散並びに収入の増加という2つの軸に基いた投資をすることを考え、その通り行動している。加えて、なるべく投資に時間をかけないため、ドルコスト平均法を軸にした長期分散投資で着実に資産を形成することも重要な主戦略だ。
結果として選んだ主な投資先は、インデックスファンドの投資信託とETFである(一部、アクティブファンドや個別株も保有している)。投資対象も株、債券、不動産(=REIT)など分散させており、投資先の国家や地域の分散も意識している。このルールに則って、オルカンをはじめとしたキャピタルゲイン狙いの銘柄と、高配当株のETFといったインカムゲイン狙いの銘柄を両方を購入し保有している状況だ。
投資の目的、目指すべき将来の自分の姿が決まれば、その達成に適した投資先が見えてくる。筆者は、今日も株などの金融資産を買い、資産を積み上げるとともに、インカムゲインによって獲得できるキャッシュを増やすべく行動している。明日の自分、未来の自分の楽しい人生を守るために。
この機会に、あなたも自分が投資する目的を詳細に言語化してみてはいかがだろうか。
筆者の場合は、対処すべき問題が多い自分の健康維持を行ったうえで、人生をいつまでも楽しむための金銭的な余裕を確保し続けることが投資の目的だ。そこで、老後を含む長期的な将来を見据えた資産形成と、インカムゲインによる収入源の分散並びに収入の増加という2つの軸に基いて投資をしている。加えて、なるべく時間をかけないため、ドルコスト平均法を軸にした長期分散投資で着実に資産を形成することも主戦略としている。
結果として選んだ主な投資先は、インデックスファンドの投資信託とETFである(一部、アクティブファンドや個別株も保有している)。投資対象も株、債券、不動産(=REIT)など、可能な範囲で分散させており、国家や地域の分散も意識している。このルールに則って、オルカンをはじめとしたキャピタルゲイン狙いの銘柄と、高配当株のETFといったインカムゲイン狙いの銘柄を両方を購入し保有しているのが筆者の投資の中心だ。
投資の目的、目指すべき将来の自分の姿が決まれば、その達成に適した投資先が見えてくる。筆者は、今日も株などの金融資産を買い、資産を積み上げるとともに、インカムゲインによって獲得できるキャッシュを増やすべく行動している。明日の自分、未来の自分の楽しい人生を守るために。
投資は継続することでより大きなリターンを生み出せる。この機会に、あなたも自分が投資する目的を詳細に言語化してみてはいかがだろうか。