クレジット信販業界の業界団体である日本クレジット協会が認定する与信審査の民間資格「クレディッター」こと「クレジット審査能力検定制度一般コース」。
その難易度や出題傾向を、一発合格者した信販業界勤めの人間が、業界の噂と実体験をもとに詳しく解説していきます。
クレディッターは信販業界でこそ知られていますが、業界団体が運営するニッチな資格であるために一般にはなじみがありません。また、上位資格のシニアクレディッターやクレカウンセラーと同様、情報も過去問も一般には出回っていません。
そして経験から申し上げると、クレディッターは舐めてかかると落ちます。確実な合格のためには試験の特徴を捉えたうえでの対策が重要ですので、この記事をぜひご活用ください。
クレディッターは落ちるとまずい?|合格の重要性とは

クレディッターの受験を会社から勧められた場合、一発合格が当たり前と心得ましょう。
クレディッターといえば、信販業界の人間なら誰もが会社に取らされるので、業界人なら受検を避けて通ることはできません。
というのも、クレディッターは、民間資格でありながら日本の信販業界において広く通用する非常に一般的な資格です。加えて、与信審査の資格のなかでは一番簡単な資格という立ち位置であり、業界人は持っていて当たり前とされています。
よって、仕事が忙しくとも、落ちるのは非常によろしくないと考えましょう。
基礎知識|クレディッターの難易度と合格率とは?

クレディッターに限らず、資格試験を受ける際に一番気になるのが合格率でしょう。
ここでは、合格率を業界の噂と実体験の両方から解説します。
公式発表の合格基準|合格点は100点中70点以上で合格
クレディッターの合格基準は100点満点中70点以上の正答です。問題は1問2点で50問出題されますので、35問以上正解すれば良い計算になります。
試験の難易度と合格率は?|噂は7割だが会社では9割が合格

クレディッターの難易度の目安となる合格率は公式に発表されていませんが、業界での噂を見聞きした限りでは7割程度というのが所感です。しかし、筆者の勤務先企業における合格率は例年9割を超えていますので、合格経験者としては、合格率はあまり参考にならないと考えています。
では、何がクレディッターの難易度に大きく影響するのか。ズバリ、与信審査の業務経験の有無です。
クレディッターの試験問題で実際に問われるのは、経験上、信販業界の与信審査の基礎的な知識のみです。しかし、出題範囲は法令をはじめとした与信審査に必要な知識全般であり、商品も包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせんの両方を扱います。よって、勉強の段階では網羅的な知識が求められるのです。
加えて、与信審査は他業種には馴染みがない特殊な業務であり、債権管理などの業界特有の別部門における勤務経験では、限定的な知識しか得られません。また、当然ながら学校で勉強する機会もありません。
よって、ゼロから未知の分野を学ぶ格好となる与信審査の未経験者にとっては、難易度の高い試験となります。逆に、信販業界で何かしらの与信審査の経験がある人であれば、たとえ「個品割賦の審査のみ」といった限定的な経験しか持ち合わせてなくとも、そこまで苦戦はしないはずです。
与信審査以外の職種に配属されている人、すなわち、債権管理、営業、バックオフィスといった部署の社員は気合いを入れて勉強しましょう。
合格の近道は社内の連携にあり!

前項で筆者の勤務先におけるクレディッターの合格率は例年9割超えだとお話ししましたが、これを実現しているのが社内における上下左右の連携です。
クレディッターはクレジット信販業界の資格の中では基本的なものなので、筆者の勤務先における主な受験者は新卒入社した新入社員になります。
すると、同期に与信審査部門への配属者が数人はいますので、その人たちが他部門にいる同期をサポートします。また、先輩方も新卒が受験するのはわかっているため、過去問をくれたりと何かと手助けをしてくれます。
なお、一部の受験者は中途入社の社員ですが、その人は所属部門の有資格者がサポートしますし、同部署の新卒も得られた情報を提供しています。
結果、弊社でクレディッターに落ちる人はほぼいません。
世間一般に情報が少ない以上、社内における上下左右の連携で情報を融通しあうことは普段以上に有効なので、できる範囲で試してみることをお勧めします。
クレディッターの基本的な試験対策は?|出題範囲と勉強時間

一発合格した筆者と筆者の周囲の実体験に基づいて、クレディッターの試験対策の計画を立てるにあたって押さえておきたい、出題範囲や出題傾向といったポイントをまとめてご紹介します。
※効率的な勉強法やあらゆる試験対策の基本たる過去問の入手方法については以下の記事で解説しています。
なお、効率的な勉強法を知ることももちろん重要ですが、試験対策にあたっては、その試験の特徴を知ることが重要ですので、続きもぜひお読みください。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。
出題範囲は?|与信審査の実務全般・関連法令が範囲
クレディッターの主な出題範囲
- クレジット業界の現状(官民両方の動向、不正の現状など)
- クレジット業界の関連法令(割賦販売法、貸金業法、個人情報保護法、犯罪収益移転防止法など)
- 審査の実務(包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせん)
- 審査資料の読み解き方(身分証、決算書など)
クレディッターの出題範囲の概要は上記の通りで、業界人が知っておくべき与信審査の基礎が網羅されています。
出題傾向の詳細は後述しますが、特定の分野に偏って出題されることはないので一通りの勉強が必要です。
問題形式は?|記述式は少ないが油断禁物
問題形式
- 語群選択式の穴埋め
- 文章の正誤判定
- 一部、自由記述式の問題あり
クレディッターの問題形式ですが、事前課題の課題テストでも見られるような語群選択式の問題や、複数の文章の中から正しい文章や誤った文章を選ぶ正誤判定の問題が中心を占めていました。
一方で、少数派ながら、自由記述式の問題も存在します。ただし、これは文章を書かされるのではなく、穴埋め等で単語を答えるものでした。
一見すると簡単に想えるかもしれませんが、語群選択式の問題であっても、絶妙に迷う選択肢が用意されているなど、一工夫はされているので油断は禁物です。
出題傾向は?|テキストだけ勉強しても受からない
クレディッターの出題傾向
- 事前課題の問題を改変した出題が比較的多い
- 過去問からの出題や過去問を改変した出題も見られる
- 事前課題にない部分も出題あり
クレディッターの出題傾向としては、受験にあたって予め合格が必要な事前課題の一部を改変して作られた問題が多く見られます(虫食いの箇所を変えるといったものです)。
また、過去問をベースに改変して作成したと思われる出題も一定数見受けられました。
一方で、全くテキストにない場所からの出題もあるので油断は禁物です。自分の経験と先輩や後輩からの情報をまとめても、決まって出題が多い分野は見受けられないため、山を張って勉強範囲を絞るのはお勧めしません。
効率的な勉強法を考えて優先順位付けをするのであれば、事前課題と過去問を繰り返すのが最善策となります。ただし、テキストを読んでおかないと答えられない問題もありましたので、事前課題だけやれば良いというわけではありません。
過去問の入手方法はコチラ
勉強時間は?|自分の職種や経験業務によって異なる

クレディッターの合格に必要な勉強時間は、勉強自体の得手不得手や審査業務の経験などで変動しますので一概に考えることはできません。
そこで、参考までに筆者のスペックと勉強時間をご紹介します。
| 学歴 | 大卒(日東駒専/産近甲龍) |
| 会社レベル | 大手(上場企業)の子会社 |
| 審査業務経験 | 個別信用購入あっせんの与信審査10ヶ月 |
| 勉強時間 | 合計50時間(2ヶ月)程度 |
筆者は関東で言う日東駒専、関西で言う産近甲龍レベルの大学を卒業し、某上場企業の子会社である信販会社(いわゆる大手子会社)に新卒入社し、そこでクレディッターを取得しました。ただし、大学入試は推薦で突破したので勉強は得意なほうではありません。
クレディッター受験時は会社で個別信用購入あっせんの与信審査を10ヶ月ほど経験していました。ちなみに、クレジットカードをはじめとした包括購入信用あっせんや貸金の与信審査や加盟店審査の実務経験はなく、債権管理も未経験です。
このスペックで2ヶ月に合計50時間程度の勉強で合格しています。受験時の手応えは、解けない問題はあったので満点合格は不可能なものの、まず落ちはしないだろうという自信と余裕を持てるレベルでした。
【まとめ】余裕をもって勉強するのが合格への最短ルート
クレディッターを最短合格!

クレジット/信販業界に入ると会社から取得を求められることが多い「クレディッター(クレジット審査能力検定制度)」の資格。普段の仕事で忙しいあなたが、最短で一発合格するためのコツを、実際に一発合格した合格経験者が詳しく解説しています。
- 最短合格のための勉強法
- 過去問の入手方法
- 実際の合格難易度
- 出題範囲
金融業界の中でクレジット信販業界に絞っても、業界人の多くが取得する資格は複数存在します。
その中でクレディッターの特徴を挙げるとすれば、個人情報取扱主任者と並んで業界の新参者の受験者が多いことです。大抵の受験者は新卒入社の新入社員か、業界未経験の中途採用者のどちらかに該当するでしょう。
よって、他の試験以上に余裕を持って勉強に励むのが大切です。同じ道を通った業界人として、お読みいただいたあなたの合格をお祈り申し上げます。